生まれつき重度の障害を持った息子リックとその父、ディックのお話。
ある日、テレビでチャリティーマラソンを見ていたリックは自分も出てみたい、と思うようになります。
麻痺によって体も動かず、話すことも出来ないリックは、首だけで文字入力できる障害者用コンピューターで父ディックに問いかけます――
父さん、僕もマラソンをやりたい・・・。
もともと1kmも走れなかった父ディックでしたが、愛する息子のために、来る日も来る日も車椅子にリックを乗せて、走り続けました。
父さん、一緒に走っている時、自分が障害者じゃなくなったような気分になったよ!
リックのその言葉を胸に、数々の大会(マラソン・デュアスロン・トライアスロン)完走し、その後、親子は最も過酷と言われる、アイアンマンに挑戦します。
アイアンマン・レース(アイアンマン世界選手権)とは、
・水泳 3.86km (Swim 2.4-mile)
・自転車 180.25km (Bike 112-mile)
・長距離走 42.2km (Run 26.22-mile)
の3種目を順番で連続して行う耐久競技で、総距離は、約226kmとトライアスロンの中でも最長です。
リックをボートに乗せ、3.8km泳ぐ。
リックを自転車に乗せ、180km漕ぐ。
リックを車椅子に乗せ、42.195km走る。
6歳以来、自転車にも乗らず、泳ぎ方も知らない中年の男は、ただただ愛する息子のために、夢を追い続け、そしてついにそれを叶えたのです。
父のディックは言う――
私が走る理由はひとつ。共に泳ぎ、漕ぎ、走る中で息子が見せるひまわりのような笑顔が見れたときのあの「最高の気分」に浸るため。ただ、それだけだよ。何かを「やる」と決心すれば、やりたいことは何でも出来るのさ。You can do it!
親子はチームで、マラソン60回以上 デュアスロン20回以上 トライアスロン200回以上
そして、アイアンマン6回を含め 950もの大会を完走しました。
息子のリックは言う――
僕の父さんは、間違いなく、世界一の父さんだよ!